H27 園児たちの飼育記録

園児たちの飼育記録:おおぞら保育園
富岡シルクについて_園児たちの飼育記録_1_1
導入として
富岡シルクについて_園児たちの飼育記録_2_1


保育者:
「今度、保育園にこれをいただけるのだって。この虫さん知ってる?」

R:
「知ってる!つき組の時に見た。こういう丸いのにね、葉っぱと一緒に乗ってた。」

保育者:
「Rくん、よく覚えてるね。前のそら組さんもお世話していたんだって。今度はみんながお世話してくれる?」

K:「いいよ!」

保育者:
「でもさ、みんなは何食べるのかとか、どんな風に世話をすればいいのかとか、蚕のことまだ分からないことがいっぱいあるよね?お部屋探したらね、こんなに蚕の本がでてきたの。みんなで本見たりして蚕のことを調べてみたいと思います。これ置いておくから後で見てみてね。」

次の日の朝、シール貼りを終えると早速、蚕の本を見る姿が多く見られた。

保育者:
「何か分かったことある?」

Y:
「くわのはをたべるんだって。」

保育者:
「そうなんだ!よくわかったね。」  Y:「ここに書いてあるよ。」

保育者:
「ほんとだね。じゃあさ、このこと知らない友達もいるからみんなに分かるように書いて貼っておこう。」

富岡シルクについて_園児たちの飼育記録_2_2
5月21日
保育者:「明日、蚕が来るのだけど、何が必要かな?」

K:「桑の葉!」

保育者:「なんで桑の葉がいるの?」

L:「だってさ、蚕が食べるから。」

保育者:「そうだね、蚕のエサがないとお腹空いちゃうものね。桑ってどこにある?」

R:「図書館の前!」
 
みんなで桑の葉を取ってきた。
5月22日
富岡シルクについて_園児たちの飼育記録_3_1
5月27日
富岡シルクについて_園児たちの飼育記録_4_1


K:「先生、なんかあった!」
保育者:「ほんとだ。これなんだろね?」
K:「なんだろ?」                   
保育者:「蚕って、どんどん大きくなっていくときに何していくのだっけ?来ていた服がちっちゃくなっておっきいのにするんだよね。」
K:「脱皮だ!」
保育者:「そうだね、脱皮するんだよね。Kちゃん、よく気付いたね。」

その後、Eも脱皮した皮を見つけた。

E:「先生、これなあに?」
保育者:「これね、Kちゃんも見つけたやつだ。Kちゃんが知っているから聞いてごらん?」
E:「これ何?」
K:「脱皮だよ。」
E:「脱皮したのか。」
 
保育者が間にはいることで友達同士で教えあう姿も見られた。
5月28日
富岡シルクについて_園児たちの飼育記録_5_1
6月2日
人口飼料で育てている蚕が、育って大きくなってきた。しかし、その中で3匹程小さい蚕がいた。

保育者:「なんでこっちの蚕は小さいのだろう?同じ部屋で同じエサなのにね。」
K:「ふとっちょのが邪魔で食べられないんだよ。」
保育者:「そっか、大きい蚕がいてエサが食べられないから大きくなれないのかもしれないね。じゃあ、どうしてあげればいいと思う?」
K:「あっちとこっちで分けてあげればいいよ。」
H:「でも、こっちに来てエサ食べられちゃうよ。」
K:「じゃあ、紙とかで、こっちにこないようにしてあげる?」
保育者:「そうだね、何かいいのあるかな?」
K:「これとこれをテープでくっつければいいんじゃない?」
H:「テープ持ってくるよ。」
友達同士で相談しながら進める姿が見られた。
保育者:「いいのができたね。じゃあ、これ置いて仕切りにしてあげようね。」
K:「でも、これじゃふとっちょのがこっち来ちゃうかも。」
保育者:「じゃあ、これで大丈夫か、明日来た時に見てみよう。大きいのが越えて来てたらまた違うのにしよう。」

帰りの会でクラス全体にも仕切りを作って設置したことを発表してもらった。
6月3日
保育者:「大きい蚕仕切り登っちゃってた?」
K:「大丈夫だった!」

その後も「大きくなった」「やっぱりエサが食べられなかったんだ」と観察しながら成長を喜ぶ姿が見られた。帰りの会前に、まぶしを設置した。まゆになる前は触らないよう話をした。

R:「じゃあ、さわらないでねって書いておく?」
保育者:「そうだね、いい考え。」

Rに紙に書いて張ってもらった。設置してすぐ1匹登り始めた。観察を楽しんでいた。
6月4日
保育者:「外の蚕のおうちにはまぶしないよね?どうしよう。」
R:「1個持っていってあげる。」
保育者:「そうすると、こっちのまぶしが立っていられなくなるし、登ってるのもいるよ。」
R:「つくる?」
保育者:「いいね、作ってあげようか。廃材出すから考えて作ってみよう。蚕は自分と同じくらいの小さいお家が好きなんだって。」

それぞれが思い思いに制作した後、蚕小屋へ設置した。
6月19日
まぶしにまゆができたので、子ども達と一緒に取り出した。人口飼料と桑と与えたエサが違うので比較をした。

保育者:「最初は色を見てみようか。こっちの箱とこっちの箱で違うところはある?」
R:「こっちが茶色い。」
蚕小屋で育てたもの(エサは人口飼料から桑)を指差す。
保育者:「なんで茶色いんだろう?」
K:「うんちがついてるからかな?」
Y:「おしっこがついてるのかも。」
保育者:「ほんとだ、けばを取ったら白くなったね。葉っぱの上でまゆになったから、うんちとかもつきやすかったのかもね。」
保育者:「なんで小さいのと大きいのがあるのかな?」
K:「ご飯が食べられなかったから。」
Y:「糸があんまりなかったから。」
K:「まゆになるときに体が丸くなったから。」
保育者:「いろんな理由が考えられるね。じゃあ、先生まゆ見てみたら人口飼料の方が大きいまゆが多くて、桑で育てた方は小さめだと思ったんだけど、なんでだと思う?」
K:「人口飼料の方が栄養がたくさんあって、食べると大きくなって、桑も栄養あるけど人口飼料の方がたくさんだから。」
保育者:「そうだね、人口飼料は栄養がたくさん入ってるんだよね。」

色や大きさを比較し、子ども達の気付きもたくさんひろえた。自分達で育てた蚕のまゆを集めるということで嬉しそうに取り組む姿があった。
考察
富岡シルクについて_園児たちの飼育記録_6_1